BABYMETAL雑談、ディストーション

329 本当なら良いですね　(^^)
わくわくします
もあちゃん(^_-)のダンス最新の観たい\(//∇//)\

懐かしいですな
当時はディストーションのイントロを聞いただけで興奮したものです
遠い昔なのに、つい最近のように感じる

『歪曲』

「『狐弓の陣』に、殿軍(しんがり)を命ずる」
中央軍の将軍からの伝令が大きな声で書状を読み上げた。
集まった将兵のあいだにざわめきが起こった。
「わかった。引き受けよう」
落ち着いた声で、陣の長であるスゥが応えた。
ざわめきが一段と増した。

伝令が帰った後、将兵達がスゥに詰め寄った。
「何故に我らが？」
将兵達の疑念はこの一点にあった。
スゥの武隊は『狐弓の陣』と呼ばれていた。
弓戦を得意とする者が多数おりスゥ自身が長弓の名手だった。
『狐弓の陣』は、今日まで数々の武功をあげ他の陣からも一目置かれる存在となっていた。
「解せぬ！」
一人の武将が声をあげた。
「今現在、我が軍が後退する必要がどこにある？伝令によれば、軍形を整えるための後退との事だが敵軍は我等を追撃するだけの余力は残ってはおらぬはず。軍形を整えるのなら今この地で行えば良き事。何の為の後退なのか」
他の武将が言葉の後を続ける。
「さよう、我等の陣を殿軍として残す意味など無いはず。それどころか我等がここにとどまれば、いくら余力の無い敵とはいえ百人程の陣を放っては置くまい。我等に勝ち目は無いぞ」
「中央軍の将軍は何を考えているのだ！」
将兵たちが声を荒らげた。

中央軍数日前…。
「将軍。『狐弓の陣』に殿軍をお命じになったとか？」
「ああ、そうだ」
「もう少しで敵軍を打ち破れるというこの場で何故？下手をすれば優秀な陣をひとつ失いますぞ」
「気に入らんのだ…」
「『狐弓の陣』が、ですか？」
「そうだ。都からの指令書が届いた」
「指令書を拝見。おや？『狐弓の陣』のスゥを中央軍副将軍とせよ、と」
「そうだ。スゥの武勇と指導力、陣の武功を見ればさもありなん。せっかく敵軍を打ち負かしても私の手柄は半減だ。いや、都の連中はスゥの手柄だと考えているやもしれん」
「将軍は都からの指令を無視なされるおつもりで？」
「都の指令を無視などせん。私の手元に…。まだ指令書が届いていないだけだ」

夜明け前。
「敵の陣が多数近づいております！その数ざっと九つ！」
『狐弓の陣』に、物見衆からの知らせがとどいた。
「敵は千人ほどか…百人対千人。敵の陣の種類はわかるか？」
「はっ、刀の陣が六つ、槍の陣が三つ」
「弓の陣は？」
「見えませぬ。弓衆は各陣に一つほどかと」
「相分かった」
目の前での武将と物見衆とのやりとりを見ていたスゥが立ちあがった。
「ゆくぞ！」
絶望的な戦いを前にした少女の顔を松明の火が照らした。

おしまい。

the oneはどうなった？